「ああいう人になりたい」と思うこと

いままで、
「自分がどういう人になりたいか?」
というものの答え方って、
いろんなふうにあったけど、
観念的だった気がします。
「大きい人になりたい」
「強い人になりたい」
「やさしい人になりたい」
だけど、この震災で、
消防士さんや地元のお坊さん、
被災したおばあさん、
そういったふつうの人たちの発言が
メディアに出てくることになりました。
「ああいう人になりたい」と思う人、
いっぱいいると思うんですよ。

via: 吉本隆明 「ほんとうの考え」

 
ボクが子どもの頃は まだ
ほとんどスーパーマーケットなんてなくて
八百屋や魚屋、豆腐屋などが店を連ねて
商店街や市場を形作っていた。

もちろん今でも商店街や市場はあるのだけれど、
その頃に比べれば かなり減ったなぁと しみじみ思う。

近所の写真屋の子とよく遊んだし、
学校の近くには パン屋の息子もいた。

TVでは「はたらく おじさん」や
「ケーキ屋ケンちゃん」という番組をやっていた。

ウチの父親はサラリーマンだったけど、
家でシゴトの話をする人だったし、
母親はパートに出る前は内職をしていた。

青森の親戚は農家が多かったし、
神戸のお婆ちゃんは家で着物を仕立てていた。

その頃は わりと身近にシゴトが見えていた。

 
いつの頃からか
子どもにシゴトを見せなくなっているような気がする。

あらゆる産業で企業化が進むにつれサラリーマンが増加し、
家庭と職場は分離され、ONとOFFが明確になった。

時代は変わり、家にシゴトを持ち込むことがタブーになり、
子どもは勉強に集中しなくちゃならなくなった。

キッザニアのような職業体験ができる施設もあるけれど、
あれは、俗に言うコスプレ系エンタメ施設なんだと思うし
せいぜいキレイで華やかな部分しか体験できない。

 
将来の夢、つきたい職業、なりたい状況が
自分自身で分からない、決められない若者が増えているけど、
確かに 明確で具体的な夢は描きにくい社会なのかも知れない。

かつて、子どもがシゴトを身近で見ることができた頃、
まぁ見えると言っても、それは一部でしかないわけだけど、
それでもキッザニアとは違って、リアルな現場であり、
汚いところ、カッコ悪いところも丸見えだったし、
それでいて、些細な仕草やコトバからプロ魂を感じたり、
憧れを抱いたりすることも少なくなかった。

 
そういう意味で、今度の震災では
普段の生活とは隔離されていたシゴトの世界を
直接目にしたり、TVで視る機会が増えた。

親たち大人が、
家族や仲間の身を守るために働いている姿。

避難生活や復興作業の中で、
地域の人たちが、協力して働いている姿。

警察や消防、自衛隊などの人たちが
危険を冒し身を呈して働いている姿。

こういうリアルな働く姿というものを
目の当たりにする機会になったことは確かだと思う。

 
このことは、
これまで夢や将来像を明確に持てなかった人たちにとって
思ってもみなかった震災の副産物になったかも知れない。

そして、復興を成し遂げる活力の源泉として
このことが じわじわと効いてくることは疑いようもない。

震災では、さまざまな反省や気づきがもたらされたが、
忘れてはならない大切なことが 間違いなく ここにもある。

これから取り組むべきことの1つがハッキリした。

 
・・・などと、
思ったり...思わなかったり...

では、お気楽に...(^^)/~~~

「ああいう人になりたい」と思うこと

 

●1年前の今日:マルシェジャポンで棕櫚たわし

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